~ChatGPT教室でのひとコマ:講師と生徒の対話から~
AIに「心理」があると仮定したら、何が見えてくるでしょうか。
また、AIとの対話は私たち人間の心理にどのような影響を与えるのでしょうか。
ChatGPTをはじめとする生成AIの急速な進化により、こうした問いがより身近なものとなってきました。
答えを導き出すことができるのか分かりませんが、あえてこの問いに向き合うことで、AIとの新しい関係性が見えてくるかもしれません。
「AI心理学」という言葉は、まだ私の妄想の域を出ません。
しかし、人工知能と人間の心がどのように影響し合うのか、その探求には意味があるような気がしてならないのです。

「先生、AIって不思議な存在ですよね」
ChatGPT教室の終了後、Nさんが話しかけてきました。Nさんは独立系のコンサルタントで、最近AIに強い関心を持ち始めた方です。
「どんなところが不思議だと感じますか?」
「丁寧に接すると、より良い回答が返ってくるんです。これって、AIにも『心理』があるってことなんでしょうか?」
「面白い観点ですね。私も似たようなことを考えていました。もしかしたら『AI心理学』という研究領域があってもいいのかもしれない、なんて」
「AI心理学ですか?」
「はい。大きく分けて2つの側面があり得ると考えています。1つは、AIの側の心理。もう1つは、人間の側の心理です」
「具体的にはどういうことでしょうか?」
「まず、AI側の心理について考えてみましょう。これは、『AIに心理があると仮定』しないと成り立たないので、あえて仮定します。そのうえで、考察するんです。たとえば、同じ質問でも、文脈によって異なる回答をすることがありますよね」
「ああ、確かに。先週の教室でも、同じ質問なのに、前後の文脈が違うと、まったく違う答えが返ってきましたね」
「そうなんです。なぜそういう違いが生まれるのか。AIの『認知』や『判断』のプロセスを心理学的に研究できないかと考えています」
「でも、AIに本当に心理はあるんでしょうか?」
「正直なところ、私にも分かりません。このような研究は世界のどこかで行われていると思いますし、そういう情報もときどき耳にしますが、勉強不足のため詳しい情報を持ち合わせていません。ですので、今のところこれは私の妄想の域を出ないのですが…」

「人間の心理のほうは、どうなんでしょう?」
「そちらはより具体的な観察ができます。たとえば、AIとの対話を重ねることで、人間の思考パターンや感情表現が変化する。これは興味深い現象です」
「私も経験があります。最近、物事を説明するとき、以前より論理的に整理できるようになった気がします」
「それは典型的な例かもしれません。AIとの対話は、私たちの認知能力や表現力に影響を与えているようです」
「他にはどんな影響がありますか?」
「感情面での影響も注目に値します。たとえば、AIに対して親近感や信頼感を抱く。時には依存的になる。逆に、不信感や不安を感じる場合もある」
「私の周りにもAIを『友達』のように感じている人がいます」
「そういった感情的な関係性も、研究対象になりそうですね。実は当工房でも、お客様のAIとの関わり方を観察していると、興味深いパターンが見えてきます」
「どんなパターンですか?」
「たとえば、インハウスAIを導入されたお客様の中には、そのAIを生きた部下のように感じる方がいらっしゃいます。AIの回答に対して『よく頑張ったね』といった言葉をかけたり」
「へえ、面白いですね」
「分身AI(アバターAI)の場合は、さらに興味深い現象が観察されます。自分の分身となるAIに対して、強い愛着を感じる方も」
「でも、そういう感情移入は危険じゃないですか?」
「その懸念は重要です。これも『AI心理学』的な研究テーマの1つになり得ます。AIへの適切な感情移入の度合いとは? AIとの健全な関係性とは?」
「なるほど。AIと人間の関係性を研究する意義は大きそうですね」
「ええ。ただし繰り返しになりますが、この話はあくまでも私の妄想です。実際にはもっと専門的な研究が必要でしょうし、すでに似たような研究が行われているかもしれません」
「でも、AIと付き合っていく上で、大切な視点だと思います」
「その通りです。AIとの関係がより身近になっていく中で、双方の『心理』を理解することは、ますます重要になるかもしれません。これからもNさんの観察をぜひ教えてください」
(この記事は、ChatGPT教室での対話をもとに構成されています)