「この食材、何と合わせたら美味しいんだろう?」
料理好きの方なら、一度は考えたことがあるのではないでしょうか。
冷蔵庫の中の余った食材を眺めながら、次にどんな料理に使おうか、悩むこともあるでしょう。
そんな時に、ふと思いつきで「フードペアリング」の知恵を借りてみると、意外な組み合わせに出会うことがあります。

先日、日本アロマ蒸留協会の方に教えてもらいました。
「食材の香りの組み合わせって、実は科学なんです。以前はこれを知っているのは一部の専門家だけでした」
香りの成分が共通する食材同士は相性が良いという「共有化合物仮説(フードペアリング仮説)」。
この原理によれば、同じ香気成分を持つ食材同士を組み合わせると、調和のとれた味わいが生まれるのだそうです。
たとえば、「キャビアとホワイトチョコレート、じつは相性が良い。共通する香り成分があるから」。
この発見は、イギリスの有名シェフと科学者による研究がきっかけです。
一見まったく合わないように思える食材なのに、「合わせてみると意外に合う」。
こうした組み合わせはじつは膨大にあるようです。
「人類はまだそのほんの一部しか知らない」というのが、フードペアリングの面白さです。
これまで、こうしたフードペアリングの知識は、料理のプロフェッショナルやフードサイエンティストたちの間で共有されているだけでした。
そこで、
「AIを活用すれば、誰でも簡単に使える形にできるかもしれない」
専門家の知識を一般の方々に届けるツールとして生まれたのが、「フードペアリングアドバイザー」です。
日本アロマ蒸留協会には、植物の香りと私たちの生活との関わりについて、深い知見がありました。
その専門性をAIという新しい道具を通じて、より多くの方に届けられるようにしてみました。
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フードペアリングは単なる料理人の勘ではなく、科学的な根拠に基づいています。
私たちが「味」と言うとき、実はそれは味覚だけではありません。
- 味覚(舌で感じる味)
- 嗅覚(鼻で感じる香り)
- 触覚(食感、温度、噛み応え)
- 視覚(料理の見た目)
- 聴覚(咀嚼するときのクランチ音など)
を含めた複合的な体験、つまり「風味」を指していることが多い。
この風味体験の約80~90%は香り、つまり嗅覚によって決定されるようです。
風邪をひいて鼻が詰まった時に食べ物の味がわからなくなるのは、そのせいでしょう。
「フードペアリングアドバイザー」は、これらの科学的知見を踏まえつつ、シンプルに使えるようデザインしました。
興味のある植物性食材の名前を入力すると、その食材と相性の良い組み合わせを教えてくれます。
例えば、「青じそ」と入力すると…
- 白桃
- カカオ
- グレープフルーツ
といった具合に、「意外に合う」組み合わせを提案してくれます。
その根拠は、共通の香り成分があることです。

フードペアリングの専門知識は、シェフ、〇〇ソムリエ、食品科学者といったプロフェッショナルの世界に閉じていました。
一般の方が手軽に活用するには、距離があったのです。
そもそも、そんな知識が存在することを私たちは知りません。
知ったとしても、どこにアクセスすれば分かるのか、誰に聞いたらいいのかが、分かりませんよね。
だったらAIに聞いてみてはどうでしょうか。
ただし、AIは膨大な情報を学習していますが、特殊な分野では追加情報を必要とすることがあります。
そこで、特殊なAIを設計することになります。
具体的には、日本アロマ蒸留協会が持つ専門知識をAIが理解できる形で「翻訳」し、さらにそれを一般の方が直感的に利用できる形に「一般化」する2段階のプロセスを行いました。
たとえば、「アロマタイプ」と「ディスクリプタ」という香りの分類方法や、「フレーバーブリッジ」という概念もAIに理解させました。
「フードペアリングアドバイザー」は、かつては専門家だけが理解できた複雑な知識体系の一部を切り取り、AIの力を借りて誰でも使える形にしたものです。
「チョコレートとベーコン」「コーヒーと醤油」といった、以前は一部の先進的な料理人しか知らなかった意外な組み合わせを、一般の方でも情報として取り入れることができます。
ただし、専門の知識やテクニックが、このAIにすべて反映されているわけではありません。
たとえば、「直接的には香りの共通性が少ない2つの食材を、両者と香気成分を共有する第3の食材を介して繋ぎあわせる」といった高等テクニックはまだアドバイスできないので、今後の改善が必要だと認識しています。
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前述したように、食材の美味しい組み合わせは膨大な数にのぼり、人類はまだそのほんの一部しか発見していないそうです。
同様に、あなたのビジネスの専門性にも、まだ見ぬ可能性が眠っているはず。
AIはそうした可能性を発掘し、形にするための強力なパートナーとなります。
もし「自分のビジネスの専門性をAIで広げられないか」と思われた方は、ぜひお気軽にご相談ください。
そして、食材の新しい組み合わせに興味のある方は、かつては専門家だけのものだった「フードペアリング」の知識を身近に体験できる「フードペアリングアドバイザー」をぜひお試しください。
思いがけない「味の発見」があなたを待っています。
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