生成AIの分類


生成AIの分類

【1】素のAI

提供されたそのまま、サインアップしたすぐの状態のAI。

特定の目的や専門性はなく、広く汎用的な動きをします。

 

(例)

  • OpenAIから提供されたそのままの状態のChatGPT
  • Anthropicから提供されたそのままの状態のClaude
  • Googleから提供されたそのままの状態のGemini

 

【2】カスタムAI

特殊な指示を与えたり、特定のデータを学習させたりして方向性を持たせたAI。

これには以下3つのタイプがあります。

 

【2-1】アプリAI

診断アプリ、クイズアプリ、ゲームアプリ、学習アプリなど、明確な目的をもって動くAI。

ChatGPTで作られているGPTsのほとんどはこのタイプです。

 

【2-2】インハウスAI

特定の会社やビジネスの情報を学習し、その会社やビジネスのために働くAI。

 

【2-3】分身AI(アバターAI)

特定の個人の情報を学習し、その人に近い言動をするよう設計されているAI。

 

(※)インハウス:「事情をよく知っている内部の人」を意味する言葉です。

AIコンサル工房は、

  • 【2-2】インハウスAI
  • 【2-3】分身AI(アバターAI)

の開発と活用に取り組んでいます。


目次


素のAIとは

  • サインアップしてそのまま使うAI
  • OpenAIやAnthropic、Googleなどの開発元から提供された、加工や調整を加えていない状態のAI

を、ここでは「素のAI」と呼んでいます。

 

素のAIは、インターネットなどから一般的な情報を学習しています。

その結果、

  • 幅広い話題や課題に対応できます。
  • 汎用的に文章などを生成できます。

 

しかし素のAIは、「世に出たばかり」の状態で、特定の目的や知識やは持っていません。

汎用性が高い分、出てくる回答は一般的でありふれたものになりやすい。

ビジネスでの活用を考える際、素のAIは様々な用途に応用できる反面、特定の分野や特定の業務に特化した対応は難しい場合があります。

また、個性が必要な場面で個性が出ないという問題もあります。

 

この弱点は、遊びでAIを使っているうちはあまり意識されません。

しかし、仕事でAIを活用するとなると、一般的でありふれた回答では不十分だと感じることがほとんどです。

 

素のAIは、あなたのことや、あなたのビジネス、あなたの会社の情報を持っていません。

そのため、あなたの事情を知らないまま、回答させられています。

それが、不十分な回答につながっています。

カスタムAIとは

素のAIに特定の指示やデータをインプットし、特定の業務や目的に特化させたAIです。

「知っててほしい事情をあらかじめ学習したAI」だといえます。

ビジネスニーズに合わせて調整されているため、業務効率の向上やマーケティングの改善に役立ちます。

 

カスタムAIは、さらに

  • アプリAI
  • インハウスAI
  • 分身AI(アバターAI)

の3つのタイプに分類されます。

特定の用途や機能に合わせて調整され、より専門的に振る舞います。


アプリAI

特定のタスクを実行することに特化したAIです。

たとえば、診断する、ゲームを動かす、学習を助けるなどの目的が該当します。

 

インハウスAI

特定の企業やビジネスに関する情報を学習し、「事情を知っていなければ出せない戦略立案」や「複雑な事情を考慮した意志決定」などを支援するAIです。

(※)インハウス:「事情をよく知っている内部の人」を意味する言葉です。

 

分身AI(アバターAI)

特定の個人の情報や話し方を学習し、その人のように振る舞うAIです。

アプリAIとは

「アプリAI」は、「カスタムAI」の一種で、具体的な目的に特化してプログラムされたAIです。

たとえば、

  • 診断
  • クイズ
  • ゲーム
  • 学習

など、特定の目的を持って設計されます。

アプリAIはその目的に最適化された応答や操作を行い、ユーザーに具体的な価値を提供します。

 

ビジネスにおいては、社員教育ツールや顧客向けサービスとして活用できます。

たとえば、

  • 研修ツールとなるAI
  • 新入社員教育に使うAI
  • 商品を推奨するAI
  • FAQ代わりのAI
  • 業務効率化を担うAI

などが該当し、特定のタスクに特化して動作します。 

インハウスAIとは

「インハウスAI」は、特定の会社(個人事業の場合は個人のビジネス)の情報を学習し、その環境に最適化されたカスタムAIです。

たとえば会社(X社)の場合、

  • X社の顧客はどのような人か
  • X社はどのような商品やサービスを出しているか
  • X社は社外とどのようなコミュニケーションをとっているか
  • X社の理念や社是は何か
  • X社の経営陣はどんな顔ぶれか
  • X社の規模はどのくらいか

などをAIに覚えさせます。 

するとAIは、この知識をもとに思考するようになります。

 

インハウスAIは、あなたのビジネスを飛躍させる頼もしいパートナーです。

「事情のわかった社員が1人増えた」のと同じだと言えるでしょう。

しかもこの社員は、24時間365日稼働する「デジタルブレイン」として機能します。

 

(※)インハウス:「事情をよく知っている内部の人」を意味する言葉です。

分身AI(アバターAI)とは

「分身AI(アバターAI)」は、カスタムAIのうち、特定の個人の行動や言動を模倣するように設計されたものを指します。

個人の

  • 経験
  • 価値観
  • 行動パターン
  • 思考の傾向
  • 言葉の癖

などを学習し、その結果、その人の分身のように振る舞います。

 

「その人を完全に再現したAI」の登場はまだ先のことと思われますが、現在わたしたちが使用できるAIでも、ある程度の学習をさせることにより、分身に近づけることが原理的に可能です。

すでに、ある程度のものは作れます。

 

自分自身の分身AIを活用する

自身の分身AI(アバターAI)があれば、時間や場所の制約を超えて多くの場面で自己を拡張できます。

 

ビジネスシーンでは…

分身AI(アバターAI)はあなたの強力なアシスタントとなります。

あなたは重要な会議に集中しながら(あるいは眠っていながら)、分身AI(アバターAI)にメール対応などを任せることができます。

分身AI(アバターAI)は、「本物のあなたならこうするはずだ」というメール対応をしてくれるでしょう。

もう一人の自分が常にそばにいるかのような安心感を得られるはずです。

これにより、あなた自身よりは創造的な活動や重要な意思決定に集中できるようになります。

 

プライベートでは…

自分自身の分身AI(アバターAI)によって実現されそうなことを挙げてみます。

  • 分身AI(アバターAI)がセミナーを代理受講し、その学びをあなたと共有することができるでしょう。
  • 自分の思考や価値観を反映したAIと対話することで、自己理解を深めたり、新しいアイデアを生み出したりする楽しみも生まれるでしょう。
  • さらに、あなたの分身AI(アバターAI)を後世に残すこともできます。

 

誰かの分身AIを活用する

  • 歴史上の人物の分身AI(アバターAI)との対話は、教育やエンターテイメントの分野に革命をもたらすかもしれません。
  • 亡くなった方とのバーチャルな再会も、分身AI(アバターAI)によって実現するかもしれません。

 

生存する誰かの分身AI(アバターAI)を本人の許諾を得て作成した場合、その活用も多岐にわたります。

 

ビジネスシーンでは…

  • 重要な顧客の分身AI(アバターAI)を用いて、新商品に対する反応をテストすることが可能です。
  • 専門家やコンサルタントの分身AI(アバターAI)を活用して、その知識やスキルを組織内で広く共有することもできます。
  • 退職したベテラン社員の知識や経験を保存し、新人教育に活用することができます。
  • 多忙な経営者の分身AI(アバターAI)を作成することで、組織全体に経営理念や判断基準を浸透させやすくなります。

 

 

プライベートでは…

  • 尊敬する人物の分身AI(アバターAI)と対話することで、新たな学びや気づきを得る機会も生まれるでしょう。
  • 離れて暮らす家族や友人の分身AI(アバターAI)と日常的にコミュニケーションを取ることで、物理的な距離を感じさせないつながりを維持できるかもしれません。

もちろんこれらの活用にあたっては、プライバシーの保護や倫理的な配慮が不可欠です。

本人の明確な同意を得ることはもちろん、AIの使用範囲や目的を明確に定め、適切に管理する必要があります。

 

しかし分身AI(アバターAI)は、私たちの能力を拡張し、時間と空間の制約を超えた新しいコミュニケーションや知識共有の形を生み出す可能性を秘めています。

ビジネスの効率化だけでなく、人々のつながりや個人の成長にも貢献できる、そんな未来が考えられます。

 

倫理的な問題やプライバシーへの配慮など、解決すべき課題はありますが、分身AIがもたらす未来は、私たちに多くの可能性を見せてくれるはずです。